米長邦雄的には、あれは赤っ恥だっただろう。しかし、本当の愛国心とは何なのかを考えるきっかけになるかもしれない。出来事としては良い出来事だったと思う。政治家はトンデモな奴ばっかりだけど君主は至ってまともな人物で、いち国民としては安堵した。(制度としての天皇制の是非はこの際おくとして。)
もっとも、そういうスジの人たちは例によって、陛下はああ言わされているだけなのだ、本心は別にあるのだ、私共にはそれが分かるのだ、と言い張るのだろう。天皇は、そんな人たちのことを苦々しく思っているはずだ、と、自分としては言い張りたい。あと、こういうときだけ憲法4条を持ち出して、政治的発言はいかがなものか、と言い出すバリエーションもあり得る。しかし天皇は、法的強制力のない発言を、社会のいちメンバーとしてしたに過ぎないし、内容的にも国家による強制を否定する趣旨のものだから、立憲主義の観点からみて特にまずいとは思えない。