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読書が大の苦手な自分も、村上春樹だけは読む。そういう人は多いらしい。ただ自分の場合、昔から読んでいるわけではない。そのせいか、一つ読み終えるたびに、もっと早くに読んでおけば良かった、という圧倒的な後悔の念にとらわれる。いやだなあ。なのに読んでしまう。彼の小説では、人生でただ一度出会えるかどうかという大事な物をつかみ損ねたり、失ったりする、という話が多い。人ごとでないので何とも言われない気持ちになるが（なのに読んでしまうんだが）、要するに、書いている本人も含めて誰にでもある喪失感ってことなんだろう。って、気休めか、それは。まあとにかく、これからの人生ではもっと真剣に捜し物をしようと思う。