この日はル・クプルのライブを聴いてきた。この場末の日記にも「ルクプる+意味」で検索してお越しになる方が多いのだけれど、ル・クプルは健在でしたから皆さん。
この人たちは一発屋としてイジるのがお約束になっているけれど、実際はCMや番組のテーマソングを歌っているから、ああその歌なら聴いたことが、となる人も多いと思う。フォーク、ニューミュージックの歌手とのコラボレーションも割とあって、完全に仲間として認知されているようだ(いまは伊勢正三と全国を回っている)。実際の暮らし向きのほどは知らないけれど(笑)、けっこう幸せな一発屋なのかもしれない。
ステージは、話に聞いていた通りの夫婦漫才で結構笑えた。カミさんがボケで旦那がツッコミだがカミさんが逆襲するところが笑いどころ。ニュービーズのCMソングをずっと歌っているのに自宅では新聞屋が持ってくるアタックを断れずにいるという驚愕の事実も、旦那のツッコミにより判明した。ニュービーズも配ってやってくれ新聞屋。それにしてもこの旦那、気を遣っているようでチャランポランなようで、しかしやっぱり気配りの人で。この男のどこを盗めば藤田恵美のようないい女をゲットできるか、と、ついそんなことを考えてしまう温かないい男だと思った。
あーもちろん歌も歌ってました。本人たち曰く、しんみりした歌が多いとのことで、んーそうか?という感じもするけれど、まあそうかもしれない。人の人生を見つめるような曲が多いので。曲のイメージを言葉で伝えるのはまるで苦手なので、これを読んだ人がいたらシングルコレクションでも聴いて納得してもらうしかない。
曲の解説などで全体にMCは多めだけれども、「ひだまりの詩」はさすがに一切の説明を付けず、ただただ大事に弾き、大事に歌っていた。知られている曲は意外にあっても、ル・クプルという名前と結びつくのはやはりこの“一発”なわけで、だから本人たちも、この歌に慣れる、ということがないのかもしれない。
童謡も歌ってくれた。赤とんぼと里の秋。どちらもある年齢になると詞の言わんとすることの重さに驚くことになる、そういう歌として(けれどいま小学校で歌われているんだろうか?)。あとはスティングの"Fields of Gold"とかも。これはカミさんのソロアルバムに入っている。
まあその、芸術性をこれ見よがしに押し出すようなことは決してしないけれど、だから上手くないとはまったく思わない。気がつくと当たり前のようによく聴いている、という音楽を作ってくれる人達で、また本人たちもそうありたいと思っているようだ。だから、特に音楽ファン(そういう言葉あったっけ?)というわけではない自分にはかえってすごく信頼できる。旦那のラーメン批評もな。