クルド人の強制送還の話や、NHKへの圧力の話。自分の意見を書き留めておこうとすると、ちょうどそんなタイミングでそれまでの報道内容を否定するような事実関係が報道される。それぞれ立場があって攻撃防御しているから当たり前、と言えばそうなんだろうけど、よくもこう簡単に否定材料が上がってくるなと。いつの間にかそれが第一の感想になってしまった。こういう状態が意図的に作られているのだとすると、そうしている当人は相当モラルが低いと思うけれど、実際のところどうなんだろう。
事実関係ですらそんな状態だから、価値判断などはもっと混ぜ返すのが簡単。試験の答案の書き方でこんなことを教わったことがある。「結論Aを支える材料がa、結論Bについてはbだとすると、結論Aを出したければ『たしかにbがある、しかしaがある』と書け。結論Bを出したければaとbの順序を入れ替えればいい。とにかく筋が通っていれば点数になる」。これは本当である場合もあるしそうでない場合もある。本当である場合とはニヒリズムが前面に出る場合だけれども、そうでない場合も、なぜ片方はだめなのかが説明されない場合は、結局、ニヒリズムの色合いが多少ちがうだけの話だったりする。そしてそういう場合というのは結構多いような気がする。