http://www.asahi.com/edu/nie/kiji/kiji/TKY200502250173.html
子供の学習到達度がトップだったフィンランドの教育体制は、競争とは無縁の、個人主義をベースにしたものだった、という話。「子供の本当の学力が見えない」という大見出しの、中高予備校の広告を思い出した。こちらの広告はなんと、続いて「だから、競争相手の中での自分の位置が見えない成績絶対評価に反対」と主張するものなんだけれど(この人たちのいう「本当の学力」って、では何なんだろう)。
まあもっとも「個性を伸ばす教育が到達度の向上に一番」という考え方もこれはこれでいやらしい。「個性を伸ばすこと」が、非個性的なパラメーターである成績評価を上げる手段としか見られておらず、しかもその成績の国別対抗が気になる、というのでは、誰の何のために伸ばす個性なのかよく分からない。
あと、上の調査でいう「到達度」は、生涯にわたって学習する能力を身につけているかどうかもみる指標らしい。もし国としてこの指標を重視するならば、その国の社会が、大人になってから「いらん勉強」をすることが尊重され、また社会的にも意味のあることと受け取られるような社会になっているのが前提だと思うけれども、この日本はどうなんだろう。