• 一部新聞では、衆議院で議員懲罰としての除名をカードに使うことが可能になった、と書かれていたらしい。意見対立の抑え込みではなく院内秩序の維持、回復が制度趣旨だから、その点からすれば当然あってはならないことだけれども、使える制度は何とか理由を付けて政敵排除に使ってしまうのが政治の世界なわけで。実際過去にも、GHQの政策に反対した共産党議員の除名に使われている(その人は後の選挙で這い上がってきたと。大したものだ)。そういえば、松浪健四郎もコップの水を撒いただけで除名の次に重い登院停止処分を受けたわけだから、あれが水でなく熱いコーヒーだったら除名だったのかもしれない。難癖ならば案外付けやすそうだ。

  • 在外者選挙権訴訟の最高裁大法廷判決憲法をちょっと囓った者としてはかなり驚いた。法令違憲判決であり、また何と言っても、悪名高い最判昭和60年11月21日を乗り越えて立法不作為の国家賠償請求を認めたこと(判例変更されたのかは不明)。加えて今回認められた“選挙権確認訴訟”という類型の訴訟も、従来は観念されていなかったものらしい。