新聞各社の選挙予測がどこも民主党300議席以上という大変な数字になったということで、その極端さを心配する意見をよく見かける。極端な数字になるのは小選挙区制をとっているからであって、べつに有権者の思考様式が極端だからではないのだと思うけれども、それはともかく、確かにビビる数字ではある。今やってるようなマニフェスト選挙(っていうの?)は、マニフェストに書いた通りのことを国会でやります、といって戦う選挙なわけで、そこでは選挙後の国会の議論を通じた調整や妥協は基本的に想定されていないと言わざるを得ないから、そのような形を完遂するためには、選挙結果は常に極端でなければならない、という恐ろしい関係がある。そして、そのような関係を作り出すための仕掛けとして小選挙区制は機能する。「それでも失敗したときに政権交代という事後的な匡正の手段があるからよいではないか。それをやりやすくするための小選挙区制でもある」と、そういう考え方に立って小選挙区制下でのマニフェスト選挙は肯定されているわけだけれど、マニフェストなど読んだところで普通人に合理的な判断などそうそう出来はしないと思われる(ていうか自分はできない)こと、だからこそ議会が命令委任でないと考えられていること、からすると、こういうのはどうも…。